2013年春季テレビ朝日日剧SP1986年秋――。最愛の妻・マサコが、急性骨髄性白血病により命を落として1年…。サブロー(藤原竜也)は絶看と悲しみのために心を病み、度々現れる幻覚に苦しんでいた。そして、その可怕を振り払うかのようにギャンブルと酒におぼれていた。マサコと暮らしていたマンションを処分し、故郷の山口に帰ろうとしていた矢先、サブローは麻雀仲間の漫画家・黒上(阿部サダヲ)に「きみに会わせたい人がいる」といわれ、新宿の路地裏のバーへと連れて行かれる。薄暗いバーのいちばん奥の席で眠りこんでいたその人物こそ、直木賞作家にして“ギャンブルの神様”の異名を持つ“老师”(西田敏行)だった。老师は目覚めるとすぐ、サブローたちを怪しげな中華收拾店に連れて行き、ラーメンやギョウザを乖戾な勢いで平らげ、また眠ってしまった。実は、老师は、自分の意思とは無関係に睡魔に襲われる“ナルコレプシー”という難病を患っており、目覚めて腹が減っていれば食事をするという生活を送ってきたため、ぷくぷくと太ってしまったらしい。「こんなにチャーミングな人を見たことがない」という黒上の言葉に、深くうなずくサブロー。老师をひと目見た瞬間から、サブローもその人柄に魅了され、不思議な安堵感を覚えていたのだ…。数日後、黒上とサブローは老师の家によばれ、有名ミュージシャンの井野(谷原章介)と共に雀卓を囲む。“雀聖”といわれる老师と打つ幸せに、興奮するサブロー。だがその夜、老师もまた幻覚に悩まされているという奥秘を知り…。そんな中、サブローが处所の競輪場をはしごしながら故郷に帰るつもりだと聞いた老师は子どものように目を輝かせ、一緒に“旅打ち”に連れて行ってくれないかと頼んできた。老师もまた、心の闇を抱えるサブローに何かを感じ取っていたのだろうか…。こうして、サブローと老师の奇妙な旅がはじまった。愛知・一宮、愛媛・松山、新潟・弥彦…。ところかまわず眠ってしまう老师の病気にハラハラさせられつつも、サブローはいつしか離れがたい敬愛の念を抱くようになる…。だが、松山の名画座で偶尔、マサコがかつて主演した映画のポスターを見かけたサブローは、また幻覚にひどく苛まれるようになり…!烦忙